拡散反射分光(diffuse reflectance spectroscopy)とは

粉末や濃い懸濁液などの不透明な光散乱体に入射した光は,媒質中で反射,屈折,散乱,あるいは吸収を繰り返したあと,その一部は拡散反射光として光の入射面から戻ってくる.これを分析光として光散乱体内部の吸収,散乱のようすを調べる方法を拡散反射分光法という試料内で複雑な散乱.吸収過程を厳密に取り扱うことの困雛さから,その定量性には課題があるものの光散乱体試料の吸収測定の有力な手法として古くから用いられてきた.近年進歩の著しい短パルスレーザーを光線として用いることで,通常の透過型の吸収測定と同様,光誘起の吸収変化を時間分解測定することも可能である.