噴流ヒートシンク(funryu heatsink)とは

現状の高出力半導体レーザーの電気-光変換の効率は,良くても50%くらいである.内部量子効率はほぼ100%に近いため,残りの50%は発振器内部で損失となり,発熱の原因となっている.たとえば,50 W,共振器1 mm,幅1 cmバーの高出力半導体レーザーにおいて,50 Wの熱が発生する.このように,微小の面積から多量の熱量が発生するため,この熱をいかに効率良く除去するかが,高出力半導体レーザー信頼性の向上のための重要な課題である.世界中の研究所で熱除去の研究が進められている.有名なものとして,マイクロチャンネル方式,ミニマイクロチャンネル方式などがある.これは半導体レーザーチyプのできるだけ近くまで水路を形成し,熱を除去しようとする方式である.この場合,水の流れは層流になる.一方,噴流ヒートシンクは、水鉄砲の原理を応用した方式で,半導体レーザーチップの真下まで比較的大きな水路で水を導入し,各発光部の真下に多数(アレイの数位)の穴を用意して,その穴から水を噴射して半導体レーザーチップを冷却する方式である.この方式で非常に効率良く高出力半導体レーザーチップを冷却することができる.水の流れは乱流になる.最近,これによく似た,スプレー方式の冷却を研究しているグループもある.