光誘起回転(optically indllced rotation)とは

光エネルギーを利用して最終的に力を得るには,(1)光から熱,(2)光から電気にを経由する形態と,(3)光の直接力学作用である光放射圧を利用した形態がある.これら光による力を利用して物体の回転駆動が可能である.特に,光を用いることにより非接触制御が可能なので可動部の運動を拘束することがない.さらに,光放射圧を用いると,大きさはきわめて小さいが(pN/mW),マイクロノートルオーダーの対象物体を捕捉(トラップ)し移動することができる.光放射圧による回転駆動法には,吸収による角運動量の移動を利用したもの,物体形状異方性による光放射圧の方向制御を利用したものなどがある.このような技術は,非接触精密操作技術,非接触エネルギー供給技術が要望されているマイクロマシンなどの分野で,新しい駆動源としてその応用が期待されている.