光パラメトリック過程(optical parametric process)とは

光パラメトリック過程とは,空間反転対称性を欠く2次非線形分極を有する光学結晶中で,光子エネルギーが大きい順にポンプ光(ωp,kp),シグナル光(ωs,ks),アイドラ光(ωi,ki)と呼ばれる3光波が結合し,相互に増幅する過程を指す.光パラメトリック利得は,エネルギー保存則および位相整合条件

式1174ページi

が同時に満たされるとき,指向性を持って現れる.3光波のベクトル和である電界ベクトルE=Ep+Es+Eiから生じる2次非線形分極

式1174ページi

の中に含まれる九つの周波数成分のうち,ωsi,ωpi,ωpsは式(1)の関係からそれぞれωp,ωs,ωiに等しいため,この非線形分極から,ωp,ωs,ωiの光波成分が励振される.励振された光波がコヒーレントに強め合いながら伝搬する条件が,式(2)の位相強合条件である.