光コヒーレンストモグラフィー(optical coherence tomography)とは

光コヒーレンストモグラフィー技術(OCT)は低コヒーレンス光源による光の干渉を用いて生体などの内部の断層構造や機能を測定する有力な手段である.最近では目などの診断に実用化されている.干渉光学系において参照光と物体光はそれぞれ参照ミラーと物体から反射され同じ距離だけ伝搬した成分が干渉する.したがって,参照ミラーの位置を変えると物体内の干渉面が移動する.つまり,物体内部の反射率のマップを測定することが可能である.ヘテロダイン検波法を用いることにより生体からの微弱な信号から干渉項のみを高感度に検出することがおこなわれている.この技術の分解能は光源のコヒーレンス長,言い換えると光源スペクトル幅で決まり,Δλ/λ2に反比例する.ここで,Δλは光源のスペクトル半値幅でλは光源の中心波長である広いスペクトルの白色光を用いると数ミクロンの高分解能が得られる.