一般にレーザーのビーム品質を表す量にはM2因子が用いられる。M2因子を用いた表記法では、高次の横モード光は基本横モードに比べ、M倍のスポット径を有するガウシアン光として取り扱われる。高次の横モード光をレンズで絞った場合、基本横モード光を集光したときのスポットサイズに比べて、ビームの広がり角がM2倍大きくなる。つまりM2=1のとき、基本ガウシアン光に一致する。

共振器を構成する光ファイバーおよびファイバー型部品をすべてシングルモードタイプとすることで、完全単一横モード(LP01モード)でファイバーレーザー発振させることが可能である。よって、ファイバーレーザーでは、ビーム品質の理論的限界であるM2=1の出力光を得ることができる。このことから、ファイバーレーザーは究極の微細レーザー光源ということができ、微細化の要求の高いレーザーマーキングなどに適している。
LMAファイバーは、曲げ損失を与えるとモードフィルタリング効果が働き、大口径ファイバーにも拘らずシングルモードに近いビーム品質を得ることができる。なお、強制的にモード制御をしていない場合のコア径とNAに対するビーム品質M2は次式で表される。
コア径とNAに対するビーム品質M2
ここでdはコア径、NAはコアの開口数、λは入射光の波長である。図1はλ=1064nm、NA=0.075のときのコア径に対するM2の限界値を表している。

図1:コア径に対するM2の限界値

 

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