波長選択光源(wavelength selectable light source:WSL)とは

光源の発振波長を,電流注入,電界印加,温度変化などの何らかの物理的手段を用いて変化させることのできる波長多重光通信用半導体レーザー,光集積素子.特に,波長多重光通信で使用される波長(チャンネル)が国際電気通信連合の電気通信標準化部門(ITU-T)によって規格化され,周波数193.10 THzを中心として,固定周波数間隔の離散値のみ「選択的」に用いられるようになったことから,波長選択光源と祢するようになった.従来の波長可変光源に相当するが,連続的な波長変化を特徴とした光源は,引き続き,区別して波長可変光源と祢する.波長選択光源には,分布帰還型(DFB) レーザーをベースとしたもの,分布ブラッグ反射型(DBR)レーザーをベースとしたもの,面発光レーザー(VCSEL)とマイクロマシン(micro-electro-mechanical systems:MEMS)技術を融合したもの,外部共振器型光源など,多様な構造が提案されている.光源の可変波長範囲は,8 nm程度のものから40 nmを越えるもの,波長可変速度も秒単位のものからナノ秒オーダーのものまであり,用いられる波長可変原理に応じてさまざまである.