エネルギー分散型X線分光法(energy dispersive X-ray spectroscopy:EDX)とは

エネルギー分散型X線分光法(EDX)は電子線マイクロプローブX線分析法(electron probe X-ray microanalysis:EPMA)の一種である.EPMAは電子線の直径を1 μm以下に絞って試料表面に照射し,発生した特性X線を検出して物質の組成分析を定量的におこなう手法である.EPMAの特徴は,細く絞った電子線をプローブとして用いるため,微小領域の組成分布がおこなえることにあるが,解像度は電子線の径よりも入射電子の試料中の原子による散乱によって律速され,1 μm程度である.また深さ方向は電子線の侵入深さによって決定し,ミクロンオーダーの深さまで情報が得られる.EPMAには発生した特性X線の分光法によってEDXと波長分散型(wavelength dispersive X-ray spectroscopy:WDX)の2種類がある.EDXは固体検出器を用いたもので,入射したX線のエネルギーに比例した数の電子-正孔対を発生させ計数する.特性X線のエネルギーから元素の種類が,強度から元素の含有査がわかる.