【参照共振器の安定化】

  量子限界雑音を目指す参照共振器では、ミラーの損失を極限まで減らすだけではなく、参照共振器自身を周囲環境から遮断して、雑音の侵入を避けなければなりません。そのためには図のようにFabry-Perot共振器を真空層の中に2段の振り子で宙づりにして外部振動を排除しました。また真空層の中は3重の円筒となっており、その間にペルチェ素子を入れて、外部からの熱の流入をキャンセルし、温度安定化も図ります。このような方式はJ. Hall先生が長年、レーザー安定化のために開発されてきた技術を導入したものです。J. Hall研では、人間が発する雑音を排除するため、安定化レーザーを操作する研究者は潜水用マスクを着用することまでやったことがありますが、さすがにそれは使いませんでした。というのは重力波アンテナは巨大な真空層の中に設置されるので、研究室環境でのヒューマン雑音は無視できるようになるからです。固定した共振器から1段振り子、2段振り子と改良した結果、低周波雑音が低減していった経過がデータとして分かります。

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