ファイバーレーザー高出力化の歴史
最初にファイバーレーザーの高出力化の歴史を図に示しました。前回紹介したように、1993年にPoらが5 W、1995年にTunnermannらが9.2 Wの出力を発表して幕が開いた高出力化の歴史であるが、その後、2重クラッド励起ファイバーレーザーの出力は2000年以後、100 Wを越えた段階で一旦、停滞したように見えるが、2004年以後、赤丸で示した単一ファイバー出力も指数関数的成長を遂げたことが分かる。この高出力化はIPG者によって主に達成された。
そんな2002年5月23日にCLEOのPost Deadline Sessionで我々がファイバーディスクレーザーが1014 W出力を報告して、キロワットファイバーレーザーの時代に入った。これは産業界の要求に応えてコア径は50ミクロンのマルチモードファイバーで、1本のファイバーから1k W以上の出力を発生した初めてのファイバーレーザーであった。その年の後半、IPGはファイバーを束ねた形のバンドルかファ イバーレーザーによって2 kW出力を報告し、その後、バンドルファイバーは応用に応じて 高出力化が進められ、10 kWから100 kWへと出力を伸ばし続けている。バンドルファイバーはファイバーの数を増やせばそれに比例して出力同大ができるので、出力だけをいえば, 高出力化は無限に増やすことが可能になった。ただし、これらはいずれも波長も位相も制御しないインコヒーレント加算であるので、エネルギーとしては加算されるが、ビーム品質の低下は避けられない。今後の講義で,コヒーレントビーム結合について議論するのは、このような問題を解決できる将来技術を考えるためである。
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