マルチコアファイバーとコヒーレント加算
ファイバーレーザーではコア面積が小さいため、レーザー損傷が限界となる。ならば同じファイ バー内に多数本のコアを配置すれば、出力を増やせるはずである。どうすれば複数のビームを一本のビームにまとめることができるのであろう。ファイバーの内部で自己イメージを再生し、フィードバックをかける方式を開発した。高出力化のために、大モードモード面積(LMA)ファイバー内に6本のYbコアを配置した。LMAファイバーにはフォトニック結晶構造を形成する多数のエアーホールが存在して、クラッド部分の屈折率を制御している。
複数コアのビームを干渉させるためには、セラミックヒーターを用いて徐々にエアーホールを消滅させ、反射なくエンドシール部に接続させる。
石英ロッドとなったエンドシール内では6本のビームが干渉をした結果、自己イメージを再生する場所があるが、その半分の位置、Talbot長にエンドシール端面を調整すれば、自己イメージがフォトニックファイバーに戻り、多ビームはコヒーレント化される。この方法はマルチコアが平等に負担することで高出力化が実現できる。最初、中心に7番目のコアを配置したところ、見事にコヒーレント化された途端に、全体のビームが単一のガウス分布をするようになり、結局、中心コアの損傷で限界が来るので、高出力 化に向いていないこともわかった。あとからは誰でもわかる、しかし、最初はわからない。痛い教訓でから真実を学ぶ例である。
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