21世紀型レーザーのコンセプト

21世紀型レーザーのコンセプト

 レーザーにとってあるべき姿はどんなものだろう。
1998年11月27日、熱海のKKRホテルで光産業 技術振興協会の光材料研究会の合宿討論会を開催し、植田は「21世紀型レーザーのコンセプト」というキーノート講演を行なった。ちょうど、重力波研究の 中でレーザーの極限的安定化を行なった経験とファイバーレーザー開発、コヒーレント加算実験を踏まえて、21世紀型のレーザーとはどのようになるべきかという議論をした。当時、2つの例を描いてみた。一つはファイバーレーザー増幅器をアレイ化したもので、もう一つはLDをピラミッド状に集積したものである。どちらも同一周波数レーザー光の並列増幅なので、最終段に位相制御光学系を加えることで、位相制御によるビーム偏向、ビーム集光ができる画期的なレーザー光学系となる。LDピラミッドは理想的なレーザーになしそうだが、実際には困難で実現していない。LDは大電流とレーザー光を微小空間に閉じ込めることで高効率発振を実現している。3次元構造に蓄積した熱を制御する方法はないので、LDピラミッドは絵に描いた餅になった。一方、アレイ化ファイバーレーザーの構想は、G. Mourouの手によってICANプロジェクトとして欧州の将来プロジェクトで進行している。

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