レーザーによる穴あけ加工は、レーザー照射によって材料表面で溶融蒸発が起こることによってなされる。金属の場合には、レーザー照射によって材料が溶融状態になった場所に強力なアシストガスを噴流し、溶融金属を飛散・除去する(アブレーションとは違うことに注意)。このため、穴あけ加工は「材料の特定部分をレーザーとアシストガスによって強制的に取り除く」いう意味で除去加工とも呼ばれる。図1に金属の穴あけ加工の概念図を示す。

穴あけ加工の概念図

図1:穴あけ加工の概念図

厚板が厚いほど加工穴径が上面と下面で異なるが、パルス波と連続波ビームを適当に組み合わせ照射することで穴の内部を整形し穴径の平行度を得る加工方法もある。

図1では材料に垂直にレーザーを照射しているが、YAGレーザーによる高ピークパルスレーザーでは、材料に対する入射角を60°まで傾けて斜め穴あけ加工できる。これは、YAGレーザーの波長帯における金属の吸収性が良いためである。
※切断加工では始めに加工の視点で穴あけ加工を行い(これをピアス加工という)、穴から切断を開始する。このように、特に厚板でないかぎり、ピアス加工の後に切断加工に移行するのが一般的なので、「穴あけ加工」を「レーザー切断の基礎」に含めた。

参照

レーザー加工機
高精度ファイバーレーザー切断機