プロジェクタは、「光あるいは画像を投影する装置」というのが本来の意味であるが、最近では「実時間で画像の記録・消去ができる小型の画像表示デバイスに表示された画像を、スクリーンに拡大投写する装置」を示していることも多い。したがって、ここでは、画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投写する装置もプロジェクタと定義する。

レーザープロジェクタには走査方式と2次元空間変調素子方式がある。以下にそれぞれの方式について述べる。

走査方式

レーザー光走査式プロジェクタは、輝度変調された各色のレーザー光を1 本の光線に束ね、光線をスクリーン上に走査させることで、目の残像を利用して造影させる仕組みのディスプレイである(図1[1])。当初は、水平走査用の回転多面鏡(ポリゴンミラー)と垂直走査用の振動鏡(ガルバノミラー)を用いて走査していたが、広い走査角度が必要なディスプレイ用としては、機械的にミラーの角度を変化させる方式が主流である。最近は、MEMS(微小電子機械システム)に移行している。

この方式は、高精度のカラー画像が得られる点で優れているが、画像が暗く、研究開発が停滞していた。しかしながら最近になって、半導体レーザーの高出力化、MEMS の発達によって、研究開発が盛んになっている。MEMS はディスプレイの要求仕様をほぼ満たしているが、共振周波数と走査角度の間にトレードオフの関係があり、高速性と走査角度の両立を図るための研究開発が進められている。

図1: 走査型レーザープロジェクタ

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