グラウンドで部活動をつづける男子たちの声にも、疲れの色が窺いはじめるころだった。
図書室の鍵を閉め、ふと学校の裏手を見やった石英[せきえい]すみれは、大文字山に向かって走っていく響の姿に目を留めた。

響はすみれの同級生で、小さなからだ全身で感情を表現する天真爛漫な女の子だ。
好奇心旺盛で、クラス委員も自ら立候補して務めている。

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