膨大な数の構成要素からなる現象の解析は、統計的手法を用いてのみ実行可能である。古典的なマックスウェル=ボルツマン統計に加えて、二つの量子力学的統計がある。ボース=アインシュタイン統計とフェルミ=ディラック統計である。前者はパウリの排他律に従わずゼロまたは整数値のスピンをもつ粒子を扱い、後者はパウリの排他律に従い半整数値のスピンをもつ粒子を扱う。光子は、スピン1でボース=アインシュタイン統計に従うボース粒子とよばれる。電子は、スピン1/2でフェルミ=ディラック統計に従うフェルミ粒子である。

微視的粒子は各々、質量や電荷・スピンといった不変の物理特性をもつ。これら特性値が決まると、粒子の種別を特定したことになる。これら不変特性とは別に、エネルギーや運動量・スピンの向きといった時間的に変化する特性がある。これら(時変)特性値が与えられると、粒子のその瞬間の状態が特定されたことになる。

一つの状態を占めるフェルミ粒子は一個に限られる。他方、一つの状態を占めるボース粒子の数に制限はなく、実際、多くが一つの状態に集まる傾向がある。多数の光子が単一状態にあるとき粒子性は消失し、連続場である電磁界としての姿が現れる。単一周波数の平面波は、同一状態(同じエネルギー・周波数・運動量・進行方向)にある多数の光子の流れに対応する。

電子はフェルミ粒子であるために、光子と異なり多数の粒子が同一状態に集まることはない。したがって、同一エネルギーをもつ電子ビームが古典的連続波としての姿を見せることはない。

光ビーム断面を単位時間に通過する光子数を光子束とよぶ。平均周波数ν0で断面内強度分布が均一な光ビームの光子束Φは、

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