集合した光子流の統計的性質に関して、どのようなことが言えるだろうか。光子の到来頻度パターンは光源の特性に依存することが分かっている。理論的詳細を述べることはできないが、二つの極端な例―コヒーレント光とカオス的光―を概観することは価値がある。

一定照度の理想的な連続レーザー光を考える。ここで、照度は時間平均した量であることを思い出す必要がある。パワーPや光子束Φも同様に、時間平均量である。より短時間スケールでみれば、光子に対応するエネルギーの不連続性と到達タイミングのランダム性が存在する。

あるサンプル期間T(10 μsec~10 msec)に光検出器に到達する光子数を観測する。試行を多数回行ったとき、検出光子数が極端に少ないあるいは多い試行はまれである。一回の施行で検出される光子数の平均値は、NavT=PT/0である。光子数の分布は、よく知られたポアソン分布から導出される式で近似できる。ポアソン分布に従う現象としては、放射性材料の粒子放出や雨滴数・コイン投げ・等がある。

光子到達に関する統計分布が光源の性質に依存することは当然ともいえる。近似的にカオス的光源と言える通常光がもつ本質的揺らぎは時間的に相関があり、各々の光子到達は独立事象ではない。この場合、光子到達頻度はボース=アインシュタイン統計が適用される。サンプル期間中に観測される光子数の最頻値はゼロである(図)。他方、レーザー光の場合は、最頻値は平均値に一致する。したがって、同一強度で同一スペクトル形状であっても、コヒーレント光とカオス光は区別でき、その本質は全く異なる。この点は、古典論では解釈できない。

 

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