分布帰還型(Distributed Feedback : DFB)レーザーは、共振器内部に回折格子構造(波打っているような構造)を持つモードホップフリーな縦単一モード(シングルモード)レーザーである。回折格子構造は、活性層の上部に形成されている(活性層とクラッド層の境界が回折格子形状になっている)。DFBレーザーでは、活性層で発生した光のうち回折格子の作用を受けた光だけが共振器内に戻る(帰還)。この回折格子構造が選択する光が持つ特定波長(1つのモード)のみが強め合うため、シングルモード発振する。回折格子は活性層の共振方向に沿って分布しているので、分布帰還( Distributed Feedbak )型レーザーと言われている。

下の動画ではDFBレーザーが 3分 で概説されている。

DFBレーザーの特長

通常のファブリ・ペロー共振器構造で構成された半導体レーザーは、多モード発振しやすく(パルス動作では多モード発振が顕著になる)、注入電流や環境温度により発振波長が変化してしまう。一方でDFBレーザーは波長安定性が非常に高く、シングルモード発振し、線幅は非常に狭い。ファブリ・ペロー半導体レーザーと違い高速変調をしてもシングルモードを保持するため(パルス動作でもシングルモードのまま)、大容量・長距離通信の光通信に用いられている。光通信以外のアプリケーションには、ファイバー検査、ラマン分光、波長変換、センサがある。

DFBレーザーは主に Coaxial Pigtailedパッケージ、14 Pin Butterflyパッケージ、TO-CANパッケージで供給されている(Bare Dieなどもある)。

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