レーザー利得媒質のような増幅器デバイスは、任意の高入力パワーに対して、一定の利得を保持することができない。なぜなら、増幅された信号に任意量のパワーを加える必要があるからである。よって、利得は、高入力パワーに対して減らなければならない。 この現象は利得飽和 (または、利得圧縮) と呼ばれる。

レーザー利得媒質の場合、利得は光入力パワーに応じてすぐにその準位になるわけではない。これは、利得媒質がある一定量のエネルギーを貯め、その蓄えられたエネルギーによって利得が決まるからである。例えば、レーザー利得媒質に入るパワーが急激に増えると、ある一定時間内だけ利得が小さくなる。これは、励起準位にいるレーザーイオンの数は、ある有限のレートをもって減るからである。これは、レーザーの力学において重要な結果である。

利得の一般的な動的方程式は、

e1

g は、対数利得係数すなわち、出力と入力パワーの比の自然対数でこの値は小さいものと仮定できる。(もし、この値が大きければ、利得媒質内で光パワーが大きく変化してしまう。) gssは、小信号利得(与えられた励起強度に対して)であり、τgは利得緩和時間、Pは増幅されたビームのパワー、そしてEsatは利得媒質の飽和エネルギーである。パワー増幅度は、exp(g)であり、gと混同しないように注意すること。

このような利得飽和の取り扱い方は、簡単には波長依存性のある利得に適用できないことに注意すること。その問題については、後ほど議論を行う。

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