励起方法に化学反応を利用するのが化学レーザーである。化学レーザーの出力は他のレーザーと比べ非常に大きいため、1970 年代から核融合炉、ロケット推進、弾道ミサイル防衛などへの応用を目指した研究が盛んに行われてきた。最も実用的な化学レーザーは重フッ化水素(Deuterium fluoride:DF) レーザーと、化学酸素ヨウ素レーザー(Chemical Oxygen Iodine Laser:COIL) である。アメリカが開発したCOIL は数メガワットの出力があり、弾道ミサイル防衛用のレーザーとして期待され、実験が行われている。しかし、装置が大型で化学反応によって大量のハロゲン化合物を放出するため、オゾン層への悪影響が懸念されており、弾道ミサイル防衛用途でも固体レーザーへの転換が検討されている[1]。また、COIL を発振させるためには塩基性過酸化水素を調合しなければならないが、これは発熱を伴うため、冷却装置を使いながらゆっくりと行う必要があり、産業用途として実用化されていない。

2009 年には、日本で新たな化学レーザー媒質として、アミン系全気相型化学ヨウ素レーザーが実現された[2]。

COIL搭載U.S.Air Force Airborne Laser AL-1A(ABL)

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