Yb添加シリカガラス光ファイバー(Ybファイバー)の吸収断面積と誘導放出断面積を図1に示す。

Yb ファイバーの吸収断面積と誘導放出断面積

図1:Yb ファイバーの吸収断面積と誘導放出断面積

 

吸収スペクトルのピークは、図1に示すように波長975nm付近に存在し、次いで915 nm付近に存在する。Ybファイバーの励起波長としては975nm及び915nmが考えられ、それらの比較を表1に示す。

表1:975nm励起と915nm励起の比較
975nm励起 915nm励起
吸収量 3倍 1倍
励起効率 高い 低い
必要なLD励起パワー 低い 高い
利得ファイバー長 短い 長い
非線形光学効果 低い 高い
冷却能力 低い 高い

915nm励起の場合を考えると、975nm励起の場合に比べて吸収量が3倍程度低いため、励起効率が低くなる。そのため同じ励起パワーを用いても、915nm励起の場合は、利得ファイバー長を長くする必要があり、非線形光学効果による影響が大きくなるが、アスペクト比が高くなるため冷却能力が高くなるといった利点もある。また915nm付近は吸収帯域幅が広いため、励起波長の安定度はあまり問題にならないが、975nm付近は吸収帯域幅が狭く、励起波長の安定度が重要になってくる。しかし、このことを踏まえてもYbファイバーの励起波長は、975nmの方が高効率でありコスト面においても優れていると思われる。

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