レーザーの基礎をゼロから解説
エキシマレーザーとは電子励起状態の原子または多原子と、基底状態の原子または多原子が強く結合した分子であるエキシマ(Excited Dimer を略してExcimer)を発振媒質とする紫外域(UV) パルス発振レーザーである[1]。エキシマは高圧(最大4 気圧程度) の希ガス(Ar、Kr、Xe) とハロゲン(F、Cl、Br、I) の混合気体に放電励起することで得られる[2]。発振波長は希ガスとハロゲンの組み合わせで変化する。現在市販されているエキシマレーザーの媒質と発振線を表1 に示す。一般的なエキシマレーザーのパルス幅は~30ns、繰返し周波数は~300Hzである[3-6]。
| エキシマ | 波長 |
|---|---|
|
F2
|
157
|
|
ArF
|
193
|
|
KrCl
|
222
|
|
KrF
|
248
|
|
XeCl
|
308
|
|
XeF
|
351
|
エキシマレーザーの出力は加工用のUVレーザーの中で最も高く、平均出力540W、600Hz の繰返しで1J のパルスエネルギーが達成されている[7]。一方、エキシマレーザーは利得が高く、共振器を数回往復しただけで出力光として出射されるため、ビーム品質は高くなく基本的にマルチモードである。ただし、干渉性が低いのでスペックルの発生がほとんど無視できる。このため、フライアイレンズによるホモジナイズド光学系を用いて広い領域を均一に照射するのが一般的な使い方である[8]。産業用途では、フラットパネルディスプレイを作成するためのレーザーアニール装置や、半導体露光装置の光源として利用されている[9,10]。その他の用途には、研究開発やレーシック手術、ELCA[11]などの医療応用がある。