レーザーの基礎をゼロから解説
CO2レーザーでは、炭酸ガス(CO2)を主体にした窒素(N2)とヘリウム(He)の混合ガスを耐熱性のパイレックスガラス内に封入して放電する。放電で生じた高速の電子がN2分子を励起して高エネルギー準位に上げる。そしてこの励起されたN2分子がCO2分子に衝突してCO2を励起させる。He は冷却効果があり、ガスの温度上昇を抑止するとともに,レーザ発振に関与しない下位レベルの分子を衝突で基底状態に戻す作用がある。なお、高出力レーザーでは封入ではなく、常に新しいガスを流入して循環させる方式をとる。
放電を何回も繰り返すとガスが劣化し、ガスの反応が鈍ってくる。そこでガスが劣化しないように高速でフレッシュガスを循環させ、発振の効率を上げる。これを高速軸流型のCO2レーザーという。高出力発振器はこの方式を取っている。
CO2レーザーは「ガスの流れる方向」、「放電する方向」、「光を取り出す方向」がそれぞれある。この3つの方向が同じ場合を同軸流型という。同軸の軸流型にはさらに2つの方式があり、それぞれを低速軸流型と高速軸流型がある。図1に低速軸流型と高速軸流型レーザー発振器の模式図を示す。低速軸流型にはガスを最初から封じ切り(封入)にするタイプのものと、ガスを低速(~20m/s )で循環するタイプのものがある。

図1:低速軸流型レーザー発振器と高速軸流型レーザー発振器の模式図
「ガスの流れる方向」、「放電する方向」、「光を取り出す方向」が全て同軸である同軸流型レーザー発振器に対し、3軸が直交しているものを3軸直交型レーザー発振器という(図2)。同軸流型、3軸直交のいずれも、ガスの循環に循環送風機を用いている。

図2:3軸直交型レーザー発振器の模式図