有機薄膜(organic films)とは

有機材料を薄膜化することにより,有機材料の電子,光などの機能性を生かしたデバイス作製の試みが盛んにおこなわれている.従来からの有機薄膜の作製法であるL-B(Langmuir-Blodgett)法や無機半導体の製膜法として確立されているMBE(molecular beam epitaxy)法などを用いることにより,高度に制御された有機薄膜の作製が可能になっている.一般に,有機材料は無機材料にくらべて構造が複雑であるため,立体構造を反映した電子・光的性質が現れやすくなる.このため,有機分子の配向,配列を制御することにより,有機材料の機能性を最大限に引き出したり,あるいは,従来にない新しい機能性の発現も期待できる.このような着想に基づいた,無機有機ハイブリッド材料,さらにはそれらをナノメートルサイズで制御した構造を持たせることによって新しい機能性を発現させようという研究が最近盛んである.