透明セラミックス(transparent ceramics)とは

1950年代後半にR.L.Cobleは透光性アルミナを開発し,セラミックスは光透過不能とされてきた概念を一変させた.一般的にセラミックスは残留気孔,未反応物質,不純物相などの多数の散乱源により失透するが,原料純度や焼結性,焼結速度や雰囲気などの製造条件を最適化することにより散乱を激減させることで多結晶材料の透光化を図ることができる.その後PLZT(1ead zirconate titanate)に代表されるさまざまな透光性セラミックス材料の開発がなされてきた.第二のブレークスルーは,1993年の池末らによるレーザー発振可能なYAGセラミックスの開発があげられ,単結晶に匹敵する高度な透明化の時代を迎えている.