ドップラー振動計(Doppler vibrometer)とは

レーザー光を移動体に照射したとき,その散乱光はドップラー効果により物体の移動速度に比例する周波数偏移を受ける.レーザーの発明以来,この原理に基づいて液体や気体の流速を測定するドップラー流速計は広く使われている.この原理は肉体の微小振動計測に利用でき,その目的に用途を絞ったものがドップラー振動計である.物体の表面変位が正弦波で振動していると仮定すると,その瞬時速度は振動周波数に比例する.したがって,ドップラー振動計では,振動周波数が高いほど微小な変位振動を測定できるという特徴がある.