衝突パルスモード同期色素レーザー(colliding-pulse mode-locked(CPM)dye lasar)とは

直線型のレーザー共振器内に挿入された,過飽和吸収色素液(入射光強度か増加すると急激に吸収が減少する溶液)によるパルス先端部の非線形自己損失変調作用と,利得飽和色素液(レーザー媒質(入射光強度が増大すると急激に利得が減少する溶液))によるパルス後端部の非線形自己利得変調作用とにより紹短パルス列を発生させる受動モード同期の改良版.直線型の代わりにリング共振器内(共振器長L)にL/4の間隔で両色素液を挿入し,左右両回りのパルスが過飽和吸収色素液で同時に出合うとき,過飽和吸収による損失変調が最も強く起こるため,このときのみ超短パルスが発生する色素レーザー.このため自身でパルス発生の安定化がおこなわれるとともに,両パルスの和の強度以上で過飽和吸収を起こすため色素濃度を2桁以上濃くでき,狭いパルス列を安定に発生できる.CW Arイオンレーザーを励起光として,この方法により初めてパルス幅100 fs以下のパルス列(~100 MHz線返し,典型的中心波長630 nm.平均出力~20 mW)が得られ,最短で22 fsまで発生されている.