量子制御・位相制御(quantum and coherent control)とは

原子や分子と光のコヒーレントな相互作用に着目し,原子や分子のミクロスコピックな状態である非定常単一量子状態,あるいは,その線形結合状態を取り出し,このコヒーレント状態にある原子・分子のポテンシャル曲面でのダイナミクスを光により直接制御することを「量子制御」という.その中でも,特に光の位相を利用して量子制御することを「位相制御」という.最近のレーザー技術の進歩によって,光位相ならびに光パルス整形(チャーピング)技法が発途し,量子や分子の量子状態を能動的に制御することが可能となった.レーザー光による量子制御および位相制御の例として,光吸収断面積の制御,状態分布の移動制御,光量子の触媒作用,化学反応経路および反応分岐比の選択,光電子の角度布制御などがある.