レーザーアニール(アニーリング(laser (beam)annealing)とは

レーザ光を照射することで結晶化などの材料改質をおこなう技術.パルスレーザー光の照射,あるいはCWレーザー光のスキャン照射によりおこなわれる.高温炉のアニールに比較して昇温および冷却が短時間でできることや,材料や結晶状態に対して使用するレーザー波長を選ぶことにより,表面層だけでなく,深さ方向の必要部分のみを選択的に改質できるなどの特長を持つ.半導体分野への応用では,多結晶Siの形成に代表される結晶性の改普,Si中の不純物活性化など広く用いられている.主にはTFTトランジスタ用のSi薄膜の結晶化に用いられる.Si薄膜の結晶化には,Siに対する反射率が小さい紫外線を発生するエキシマレーザーが使われ,エキシマレーザーを用いる場合をELA(excimer laser annealing)という.Si薄膜の結晶化は熱処理によりおこなわれていたため高融点の石英基板が必要であったが,レーザーアニールにより安価なガラス基板を用いることができるようになり,ELAがTFTの量産工程で使われるようになった.金属加工分野では,準安定相合金,超伝導金属の合成などへの応用がある.