ナノ微粒子の合成(nanoparticle synthesis)とは

粒子の前径が10 nm程度あるいはそれ以下であるナノ微粒子の代表的な合成方法は,ガス中蒸発法である.これは,ガス中で材料を気化し,材料を構成していた原子や分子の蒸気が冷却によって凝縮するのを利用してナノ微粒子を合成する方法である.蒸発用熱源にレーザーを用いるレーザー法は,不純物の混入が少ない,雰囲気ガスの種類や圧力など作製条件の制御が容易である,高融点材料への適用が可能である,などの優れた特徴がある.レーザー法はさらに,レーザーを単に加熱源として用いる場合と,高ピークパワーのレーザーを用いてアブレーション現象を利刷する場合に大別できる.後者の方法でフラーレンが初めて合成されたことはよく知られている.実用的観点からは,直径のそろった所望の大きさのナノ微粒子をいかに効率良く合成するかが重要な課題である.→超微粒子