マルクス回路(Marx-bank driver)とは

複数のコンデンサを充電時は並列充電し,放電時にはコンデンサ間につながれたギャップスイッチにより瞬時に直列接続し,非常に高い放電電圧を得る回路で,短パルスで大入力を必要とする放電管励起色素レーザーやエキシマレーザーの駆動回路に用いられる.このとき,メインギャップスイッチのほか段間のサプギャップスイッチにもトリガ電圧を加えたり,放電管にグロー放電による予備電離(シマーモード)を加えておくと動作が安定することが知られている.実例としては,色素レーザー用として2段マルクスパンク回路を4並列して最大出力電圧40 kV,蓄積エネルギー48 kJ,パルス幅10 μs,エキシマレーザー用として8段,出力電圧500 kV.3.4 kJパルス幅90 nsという巨大な駆動源も実現している.