高平均出力レーザー(high average power laser)とは

パルスレーザーは,レーザー核融合やレーザーウラン濃縮などにとって不可欠であるが,実用化にはパルス繰返し数,すなわち平均出力の増大を図る必要がある.高平均出力化によるレーザービーム質の劣化防止のほか,装置が巨大化や煩雑化するのを避けるために,効率の上昇,コンパクト性,取扱いの容易性も望まれる.ガスレーザーではエキシマレーザーや銅蒸気レーザーでkHzオーダーの繰返し数と1 kW程度の出力が得られるに至っているが,J取扱いなどの面から,これらを固体レーザーで置き換えようという要請も強い.固体レーザーの熱ひずみを軽減するために,ポンプ光源をフラッシュランプから半導体レーザーに置き換え,熱ひずみを光学的に補償することによりkWオーダーの高品質,高効率,高平均出力レーザーが目指されている.→ウラン同位体分離