狭帯域エキシマレーザー(narrow band excimer laser)とは

半導体集秘回路のパターン形成に利用されている光リソグラフィーは,256 Mbit DRAMなどの0.3 μm以下のパターン寸法領域では狭帯域化されたKrFおよびArFエキシマレーザーを光源としたステッパ(逐次移動型縮小投影露光装置)が使用されている.エキシマレーザー自体はbound-free遷移による発振のために数百pmのバンド幅を有するが,300 nm以下の波長域では光学材料の制約から,高NA,大画角で全スペクトル域にわたる色消しをされた縮小投影露光装置のレンズの設計は困難である.したがって現在は,レーザー共振器内部に波長分散素子を挿入し1 pm以下に狭帯域化したレーザー(narrow band excimer laser)と単色レンズ(または部分色消しレンズ)を組み合わせることで,0.3 μm以下のパターン形成用ステッパが実用化されている.→今光リソグラフィー,真空紫外光リソグラフィー