CARS(coherent anti-Stokes Raman scattering/spectroscopy)とは

物質に周波数の異なる二つのレーザー光(角振動数ω1,ω2)を入射したときに,2ω12の角振動数を持つコヒーレントな光が放射される現象,またはこれを用いた分光法.分子の振動の周波数と二つのレーザーの周波数差が等しいときにスペクトルにピークが現れるため,分子振動の周波数を観測できる.ビーム状の光が放射されるため背景光が大きい場合(燃焼など)の観測に用いられることが多い.超短パルス光を光源にし,高開口数な顕微鏡対物レンズで絞り込めば,対物レンズの焦点近傍のみの情報を得ることができ,生物試料観測への期待が大きい.