分散補償(chromatic dispersion compensation)とは

光ファイバ中の光の伝搬速度は波長依存性を持つ.これは材料的要因(ガラス屈折率の波長依存性)と精造的要因(伝搬定数の波長依存性)によって生ずるもので,光線路を伝搬する信号にひずみを与える原因となる.一方,光通信に用いられる.半導体レーザーは,チャーピングと呼ばれる.注入電流に応じて波長(光周波数)が変化する特性を持つ.したがって,長距離大容量の伝送をおこなう際には,この波長分散を抑制する必要がある.分散補償は,対象光線路と逆の披長分散特性を持つ光線路を結合することで実現される.すでに分散補償用ファイバが開発され実用化されているが,これにくらべて短尺で分散補償が実現できるメリットがあるため,ファイバグレーティング型補償素子の開発も盛んにおこなわれている.