微量物質検出(trace material detection)とは

一般的に物質中にppmレベル以下の濃度で存在する化学種を検出することを指す.最近では特に,気中にppbないしpptの濃度レベルで存在し,地球環境や生態系に影響を与える化学種を実時間検出することに注目が集まっている.レーザーによる検出では,その場で多成分中から特定の化学種を選択的に検出することができる.主に吸収,ラマン散乱,レーザー誘起蛍光,多光子イオン化などの線形や非線形プロセスを利用した研究がおこなわれている.単なる濃度計測ばかりか,対象化学種の生成,消滅,移動などを併せた情報を把握する必要もあり,周波数輝度の高いレーザーを使用した新たな分析技術に大きな期待が寄せられている.