おもしろレーザーニュース


光響が面白いと思ったレーザーネタを執筆し、皆さまにお伝えします。(最終更新 6/23)

【レーザーについての様々な話題・記事・トピック等を紹介】

  • レーザー光で、人間が見えない筈の赤外線を見る方法(6/23付) 85c8aa1dfe8d839d9ec89444161f4548 *エゾツルキンバイ 左:通常撮影  右:紫外線撮影  byビョルン・ロスレット氏 人間の目に見える光は限られている。下は大体360nmから上は830nmくらいまで。色にすると波長の短い順に、紫、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄、橙、赤、所謂、可視光線、「虹の七色」だ。この外側にある波長の光が紫外線、赤外線で当然のように、人間の目には認識されない、というのが常識だとされている。人間以外の生物では、一部のヘビ(マムシ、ニシキヘビ、ハブの仲間)は赤外線を、昆虫(蝶や蜂等)、鳥類は紫外線を認識することが出来ると言われているが、人間はそうではない。  しかし、実は特定の条件下では人間の目はこの外側の光を認識することができるのだ。  アメリカ・ワシントン大学医学部の研究チームによると、赤外線レーザーを使用する科学者たちが、時折、緑色の閃光を感じることがある、という報告を受け調査に乗り出したとのこと。  これを解明する為に、強力な赤外線レーザーの照射時に光子の数を揃え、照射時間を変更しながら実験を行ったところ、照射時間が短い程、赤外線レーザーを「閃光」として感じる割合が高くなっていることが分かった。  これは、網膜内の光を認識する細胞が、レーザー光の早いパルスの為に赤外線のエネルギーを二重に受取っていることが原因となっているという。 ...
  • 光線力学療法、レーザーによる新しい癌治療(6/20付) (1)  日本における死亡率の第1位は悪性腫瘍、所謂「癌」だ。罹患数・死亡数は高齢化に伴って増加傾向にある。高齢化の影響を排除した年齢調整率から見ると、死亡率は1990年代を境に減少傾向、反して罹患率は1980年代以降に増加している。生存率に関しては、発症部位に関係なく上昇している。  一昔前よりも治癒率が上がったとはいえ、その治療法の約7割は外科手術であり、他に行われる放射線治療、抗癌剤治療のどれもが術後の痛みや副作用による患者への負担が大きなものだ。  治療に際し、患者への負担は少ない程良いのは当然だ。そこで新たに取り入れられているのが光線力学療法(Photodynamic ...
  • X線レーザーを分子に照射。実験室でブラックホール現象が発生(6/20付) (1) ブラックホールの存在が初めて理論化されたのは意外に古く、ジョン・ミッチェルによって1783年に提唱されている。現代的な理論はカール・カール・シュヴァルツシルトがアインシュタイン方程式を特殊解として導いた1915年に始まったとされており、実際の発見に至ったのは1971年。「はくちょう座X-1」の連星として観測されたのが初とされている。  その特性として、極端に強い重力により周囲の何もかもを吸い込んでしまう、光さえも脱出できない、パラレルワールドに繋がっている、等々様々な説が飛び交うブラックホールだが、その正確な姿は未だ判然とはしていない。そのブラックホールのような現象が、地球上で観測されたという。 ...
  • レーザーによる眼鏡プラスチックレンズの染色(6/16付) (1) 目を紫外線から保護する、或いはファッションとして色付きレンズの眼鏡を使用する人が増えている。目から入った紫外線が肌の日焼けの原因の一つだ ということもあり、特にこれからは需要の高まる季節だ。  従来、眼鏡のプラスチックレンズのような透明樹脂の染色は、高温に熱した染色液にレンズを浸して作る浸染という手法が使われ得てきたが、熟練者でも場合によっては1時間以上の作業時間になることがあること、手作業工程の為オートメーションが困難であること、また、染色液の時間経過や濃度変化による変色、廃液による環境問題とその処理費用、ポリカーボネート製等の高屈折レンズの難染色レンズに対応出来ない、といった多くの問題を抱えてもいる。 ...
  • レーザーによるクリーニング。歴史的建造物の落書き除去(6/16付) (1) 世界各地、特に有名な観光地で問題となっている落書き。以外にもその歴史は古く、ローマのコロッセオ、ヴェスヴィオ火山に埋もれたポンペイ等からは約2000年も前の落書きが見つかっている。トルコでも約1500年前の物がアフロディシアスで発見され、エジプトのピラミッドにも「最近の若者はだらしない!」という当時の中高年の職人が書いたと思しき落書きが存在する。 日本国内でも、法隆寺の金色堂に描かれた飛鳥時代の落書きや、当麻寺にも平安時代に描かれたとみられる人物の落書きが残っている。因みにアンコールワットには、江戸時代の武士・森本一房が仏像を奉納した、と書き残したものがある。(ポル・ポト時代に上から塗り潰され、現在はほとんど判読できない。)このような古い時代の落書きというものは、当時の風俗や環境、生活様式を知る上での貴重な資料となっている場合も多く、それ自体が歴史を積み重ねて残ってきた重要な遺跡の一部になっている。しかし、現代の旅行者たちが各地で書き残している落書きはそうはいかない。 今書かれた落書きも1000年2000年経てば貴重な資料となる可能性が無いわけでは無いだろうが、その新たな落書きによる歴史的資料の汚損や破壊、景観の問題に、原状復帰の為にかかる労力、時間、費用等、発生する問題は多岐に渡り、現地の人々を悩ませている。 そして、なにより問題となるのは、その落書きの除去だ。貴重な遺跡や建造物を破損させることなく除去する為に、研磨剤入りのジェット水流や、薬剤によるクリーニング等様々な方法が模索されてきたが、メキシコではレーザーを使用する、という新たな除去方法が試みられている。 http://optipedia.info/wp-content/uploads/2-3.png 1991年、世界遺産に登録されたメキシコ・モレリア歴史地区にはスペイン植民地時代の歴史的建造物が数多く残されているが、観光客の増加に伴い落書きもまた増え続け、ついには重要地区指定の「cantera ...
  • レーザースキャナーが映し出す、美しくも不気味な洞窟探索ゲーム(6/13付) (1) 一寸先も見えない暗闇の洞窟をレーザースキャナーを使って探索する、という新感覚アドベンチャーゲーム「Scanner ...
  • 有人探査実現の足掛かり。火星まで3日で到達、レーザー推進(6/9付) 左 火星有人探査、火星移住計画と昨今火星が話題に上ることが増えている。アメリカは2030年代半ばまでに、ロシア、ESAは2025年頃までに火星の有人探査を実施すると計画を発表しており、オランダのNPO法人は2025年に火星移住を実現させるとして一般の希望者を公募している「マーズ・ワン」計画も始動している。 SF映画や空想の話ではなく、真剣に火星のテラフォーミングや移住計画が話し合われる時代が到来しているわけだが、(ホーキング博士らも地球外移住について度々言及している)。何故、火星なのか。  火星が太陽系の中で最も地球に近い惑星だからである。1日の時間は約24時間40分、赤道傾斜角は25度と地球とほぼ等しく四季がある、という類似性と、距離的には最も近い金星が、気圧は水深900mとイコールの90気圧、地表温度450~500℃、硫酸の雨が降り注ぐ過酷な環境だ、という事情もあるかもしれない。  火星への有人探査自体は1948年に既にアメリカで計画されてはいたが、現代に至るまで実現はされていない。最も問題となっているのは、地球・火星間の距離である。月の有人探査が可能となったのは、3~4日で到達出来る距離にあるということも大きいのだ。現在の技術で火星に有人宇宙船を着陸させようとすれば、片道で6~7ヵ月は覚悟しなくてはならない。到着してトンボ帰りする筈もなく、探索期間は半年~1年、その後再び7~8ヵ月かけて地球に帰還とすれば、2年~2年半程度の宇宙生活となる。宇宙滞在中に、宇宙飛行士たちの身体には骨密度の低下や視覚障害脳圧症候群等の症状が現れることは既に知られており、それと共に、長期間任務の過度なストレスによる乗組員同士のトラブルが起こる可能性もある。また、大気の無い宇宙空間で大量の放射線を長期間浴び続けることへの懸念も示されている。 ...
  • レーザーでイオンをスピン、新物質「時間結晶」の生成に成功(6/9付) (1) 米・メリーランド大学とカリフォルニア大学バークレー校は、2016年9月、「時間結晶」という新しい形態の物質の作成に成功した。  結晶とは原子や分子、イオンが空間的に規則正しく周期的に配列された物質のことだが、時間結晶はその配列を時間的な方向に広げた物質のことだ。  時間結晶の概念は比較的新しく2012年のことだ。マサチューセッツ工科大学のフランク・ウィルチェック氏(2004年ノーベル物理学賞受賞者)によって提唱され、ローレンス・バークレー国立研究所がその生成方法を発表していた。  しかし2015年カリフォルニア大学バークレー校と東京大学の研究者たちによって「生成は不可能であると証明された」と発表されるなど、一時はその存在を否定されている状況だったが、それが今回生成に成功した、とのことだ。しかも一つの研究機関でのみではなく、相次いで二つの研究機関が成果を発表したのである。 ...
  • レーザーがHIV感染細胞に直接攻撃。抗ウィルス薬を直接投与(6/9付) (1) HIVは比較的新しい感染症だ。1980年代にアメリカで確認されたのが最初となる。(但し、1950年代から「痩せ病」として同症状の症候群が中央アフリカ各地で報告されている)。日本では1985年に最初の感染者が確認されている。 それから30年余りが経過し、HIVは世界中に蔓延している。WHOの発表によると2015年度HIV感染者数は3,670万人、そのうち新規の感染者は210万人、死亡者数110万人となっている。日本国内では感染者数は25,000人(薬害による感染者を除く)、新規の感染者は1,000人、AIDS発症者数は400人となっている。 現段階で完治に至る治療法は存在せず、一度感染すると生涯服薬が必要となる病だが、抗ウィルス薬を服用している限りは発症しない。 ...
  • JR東海、橋梁の安全点検に専用の3Dレーザースキャナーを開発(6/6付) (1) 河川に掛けられた橋梁の橋脚部分周辺には「根固めブロック」が設置されている。台風や大雨による河川の増水の際に地盤が削られ、橋脚が傾くことを防止する為だ。しかし、これは一度設置すれば万全というものではなく、増水すればブロックが沈下していないか、流されていないか等確認を必要とするもので、安全確保の為には、少なくない費用と労働力、時間を割かなければならなかった。 この件に関しJR東海は平成29年5月、ブロックの位置を3Dレーザースキャナで検測する位置計測装置を開発し、今年9月から東海道新幹線富士川橋りょうに導入することを発表した。 開発された位置計測装置は、橋桁から水面に向かって3Dレーザースキャナを投射するもので、ヘリコプターと職員による目視では250個程度の計測であったものが、4万個設置されている根固めブロックの全て計測することが可能だ。 ...
  • レーザーが生み出すダイヤモンドより硬くより輝く物質(6/2付) (1) モース硬度10の唯一の鉱物。世界で最も硬い物質であるダイヤモンド。理論上やシミュレーション結果ではその硬度を凌ぐ鉱物があるとされているが、実際に実験し証明された物の中では今もって最高の地位を誇っている。 そのダイヤモンドを凌ぐ硬度を持つ物質が、アメリカ・ノースカロライナ州立大学の研究メンバーによって作り出された。その名称は「Qカーボン」。 「これまで地球上に存在したことは無い物質だ。もし自然界に存在するとすれば、他の惑星の中心核部分だろう」と研究者が語るその物質は、ダイヤモンドより高い硬度を持つだけでなく、蛍光性、電磁性を持つのだという。 ...
  • 森林調査の効率化。ドローンによるレーザースキャン(6/2付) (1) 日本の66%は森林で出来ている。 日本の国土総面積3779万ha、森林面積2510万ha、国土の3分の2は緑に覆われていることになる。 従来の森林調査というものは手間とコストと人手が掛かる。衛星や空中写真による上空からの間接的な計測と、地上での直接計測が必要であり、特に地上調査は木の形状が複雑である為正確な計測が困難であること(時間経過と共に変化することも含め)、サイズや他の生物との混在で成り立っていること、容易に移動させることが不可能であること、そして、その数の多さも問題となっていた。更には、単価として高額な物ではない為、計測に掛けられる人件費等のコストにも制限せざるを得ない状況だった。 ...
  • スペースデブリをレーザーで大掃除(6/2付) (1)  1957年10月4日、ソビエト連邦が世界初となる人工衛星スプートニク1号を打ち上げてから半世紀以上。今までに数多くの国が人工衛星を打ち上げ、その存在は現代の生活に欠かせないほどの役割を果たしている。2017年2月までに打ち上げられた人工衛星の数は7600機を超え、今現在運用中の物だけでも4400機以上にのぼる。  では、運用を終了した機体や破損し制御不能となった結果、放棄された機体はどうなるのか。スペースデブリの一部となって地球上空を周回しているのだ。  スペースデブリ、所謂宇宙ゴミは高度2000km以下に存在し、最もその数が集中しているのは800~850kmの範囲である。そのうち10cm以上の大きさの物は20,000個以上、10cm以下1cm以上の物は500,000個を超えるとされている。それ以下のサイズの物を含めると、その数は2億個にのぼるという。そして当然のように移動しているわけだが、その速度は秒速7~8km。時速にすれば25,000km、音速の約20倍の超高速且つ軌道もそれぞれ異なっている。  これが稼働中の人工衛星に衝突したらどうなるか。或いは宇宙ステーションに衝突したらどうなるか。 ...
  • 自転車を守る、レーザーで描く光る自転車(6/2付) (1) 自転車は、少し練習すれば乗れるようになり免許は不要。一度乗れてしまえば乗り方を忘れることも無く、通学や通勤、買い物に娯楽と子供から大人まであらゆる世代から愛用されている。生活必需品の一部となっている人も少なくはない。ロードバイクの流行や、エコの観点からもこの先自転車の利用者数は増えていくのではないかとみられている。 気軽に手軽に乗れる自転車は、しかし、事故率も高い。平成26年度の自転車事故の発生件数は11,2134件(警視庁発表)。全交通事故の約20%を締め、単純計算で一日に300件ほどの自転車事故が国内で起こっている計算になる。また、負傷者は107,998名、死亡者は540名で、一日に一人以上が亡くなっていることになる。国も2015年6月に道路交通法を改正し、事故の減少を目指している。 日本だけでなく、海外でも自転車事故は問題となっておりその対策も様々になされているようだが、最近イギリス発のとある製品が自転車業界で大きな話題を集めている。 ...
  • ロシア発 結核v.s.レーザー(6/2付) (1) *ペニシリンG構造式 1928年、アレクサンダー・フレミングによるペニシリンの発見。 これは世界中で長く猛威を振るった結核への対抗手段を、人類が初めて手にした瞬間でもあった。 抗生物質による化学療法という方法を手に入れたとはいえ、結核は今もって重大な疾病の一つに数えられている。WHOの発表によると、2014年の単独の病原体による死亡原因としては、HIVに次ぐ第2位であり、年間感染者数960万人、死者数150万人となっている。日本は先進国の中では最も罹患率が高く、現在2万人の患者が存在する。 治療法が確立されているにも関わらず撲滅に至らないという点ではマラリア等も同じだが、結核の場合問題になっているのは、抗生物質への薬剤耐性を持つ結核菌が現れたことだ。 日本国内では従来の結核菌であれば治癒率は約80%である。しかし、ニューキノロン系抗生剤への耐性を持つ多剤耐性結核菌の感染では治癒率は50%となり、更に、駐車可能な抗結核薬カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシンのうち1種以上に耐性を持つ超多剤耐性結核菌の場合は、30%にまで下がり、既存の薬剤は効果が無く、治療手段が絶たれた状態となってしまう。 ...

 


 

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