半導体レーザー照明。LEDより3割お得

大きな空間を照らす時、全体ではなく必要箇所だけを明るくしたい、という場合がある。例えば倉庫や工場等の照明だ。全体を無駄に明るくするのではなく一部を高照度化することで省エネ・低コスト化を図るのが一般的である。
そのスポット照明として長らく役立ってきたメタルハイドロランプは高さのある天井から床までを直接照らすことができ、太陽光に似た雰囲気も作り出せることから大規模商業施設等で利用され、他にはアクアリウムやプラネタリウム、イカ漁の漁火にも使われているが、野球場の夜間照明のように、徐々にLED照明に置き換えられる動きも見られてきていた。ただLED照明は面で発光するというその構造から集光率に問題がある。部屋全体を照らす家庭用照明等には適するが、一方向を照らす懐中電灯のようなスポット照明には適しているとは言い辛い。その為、より明るく、より集光性に優れた効率の良い半導体レーザー照明の開発が求められてきた。

それを受け開発されたのが半導体レーザー光源の高効率スポット照明である。
 図1
*スポット照明機器の比較(白色LED光源とレーザ光源)

この照明は発光部が高出力半導体レーザー、集光率の高い反射鏡、蛍光体で構成され、白色LEDよりも30%の省エネにも成功している。

 図2
*LEDとの消費電力比較

 図3

*製品化イメージ
LEDの抱えた集光性の問題をクリアし、更に30%もの効率アップに成功した新製品。省エネ・低コスト化を求める昨今の流れもあり、製品化と販売開始が待たれるところである。

最後に、この開発の一部は2014年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の実用化開発フェーズで採択されたものであり、原則として3年以内に製品化が可能な実用化開発を行う、ということだったが、それを実現した形となった。

参考文献
*IDEC Japan
http://jp.idec.com/ja/news/info03/138(図1−3)

*Panasonic オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS)
http://www.panasonic.com/jp/corporate/ais.html

*環境ビジネスオンライン
https://www.kankyo-business.jp/news/013651.php

*OPTRONCS ONLINE
http://www.optronics-media.com/news/20161101/44551/

「執筆者:株式会社光響 緒方」